小満

秋に蒔いた麦が、黄金色に実をつける頃を小満といいます。「満」という文字は満たすという意味がありますね。麦茶、ビール、麦わら帽子…暑い夏を涼しくする麦はこの季節に刈りいれをします。生命がみなぎる季節である小満は、外も汗ばむ季節でもあり、水分が不足したりすると血流悪くなり、血圧が高くなります。血流が悪くなると、免疫力も低下しますね。血液の流れをよくするには、まずは水分をしっかり摂ること、納豆などのネバネバした食品や旬のかつおなどの魚がおすすめです。

 

旬の食材、まずは魚の「アジ」。アジはEPAやDHAなどオメガ3の脂肪酸を多く含む魚です。脂肪酸バランスをととのえることで免疫機能を高める働きがあります。サラダ油、胡麻油、コーン油、大豆油などに多く含まれるオメガ6の脂肪酸は免疫機能のアクセルのような働き、えごま油やアマニ油、青魚に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3は免疫機能のブレーキの働きをします。つまりバランスがとっても大切。現代はオメガ3の摂取が減少しており、バランスが崩れている人が多くいます。旬のアジを選ぶポイントは鮮度。オメガ3の脂肪酸は酸化が早いためです。お刺身は鮮度が良いですね。生姜やスプラウトと一緒たたいて、なめろうにしても美味しくいただけます。またアジはフライにしても美味しいですね。せっかくオメガ3が多く含まれている魚ですから、揚げ油に気を配りたいところ。サラダ油はオメガ6を多く含みますので、カリッと揚がる米油は如何でしょうか。米油はオメガ9の脂肪酸ですから、バランスを崩すことはありません。

フライのパン粉にパセリやにんにく、粉チーズを混ぜて、フライパンに少し多めのオリーブ油で揚げ焼きというのもワインにぴったり。是非お試しください。

鰺を使ったe-gohanレシピはこちらから
【e-gohanおすすめレシピ】バルサモ・ビアンコとレモンでマリネした鰺に新玉ねぎをたぷりとレシピは⇒こちらから

 

そして旬の果物は「ビワ」。実を洗って、指で皮をむける手軽なビワは、中からオレンジ色の実がでてきます。このオレンジ色は、カロテン。紫外線が強くなるこの季節にカロテンが豊富なビワが旬なのもうなずけますね。昔から咳や喉が痛いときにはビワを食べると良いといわれるのもカロテンの働きからでしょう。カロテンは喉や鼻の粘膜を守って免疫力を高めるという働きがあります。

ビワは繊細な果物。あまり日もちがする果物ではありませんので、産毛が残っているビワを選ぶと良いでしょう。ビワは皮を剥くと茶色に変色をしてしまいます。これはクロロゲン酸といわれる抗酸化作用のあるポリフェノールの一種が含まれているからです。しかし茶色に変色してしまうと見た目も半減。食べる直前に皮を剥くことをおすすめします。

またたくさんビワが手に入ったらジャムを作ってみたらいかがでしょうか。

ビワとビワの量の1/3程度の砂糖、そしてレモン果汁を少し加えて煮詰めます。

ビワのジャムは市販ではなかなか手にはいりませんね。季節の手仕事として楽しんでみるのも一つです。カロテンたっぷりのジャムを作っておけば、パンやスコーンに塗ったり紅茶に加えたり、少し豊かな食生活を楽しむことができます。

旬の果物「びわ」

 

そしてもう一つの旬の果物が「さくらんぼ」。

さくらんぼも繊細な果物の一つ。季節も5月中旬から梅雨の季節が美味しくいただける旬といえます。

このさくらんぼも抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれていますが特に注目する栄養素は「鉄分」。鉄分が不足すると貧血になるというのは皆さんご存知ですね。鉄分は酸素を身体のすみずみまで運ぶ働きがあります。酸素が隅々まで運ばれると、エネルギーが作られ栄養も隅々まで運ばれることになります。つまり元気にパワーが出るということに繋がります。まさに免疫力アップには欠かせない栄養素を含んだ食べ物の一つですね。

さくらんぼは生で食しても美味しいフルーツですが、凍らせて、ヨーグルトと一緒にスムージーにしても別の美味しさを楽しむことができます。

または白ワインで煮てコンポートに。分量もわかり易く、さくらんぼ500gに白ワイン250cc、グラニュー糖250g、水250cc、レモン果汁少々。

さくらんぼ洗って種を取り除きます。種はストローを斜めにカットして、軸から差し込んでくるっと回すと種を簡単に取り除くことができます。

鍋に白ワインを入れてアルコール分を飛ばします。グラニュー糖、水、さくらんぼ、レモンを加えて10分ほど煮込んで出来上がり。

そのまま食べても、ヨーグルトに混ぜたりゼリーに。炭酸水で割っても美味しく楽しむことができます。

旬の果物「さくらんぼ」
【e-gohanおすすめレシピ】フレッシュなチェリーでクラフティに。レシピはこちらから

 

この季節の手仕事として山椒の実の佃煮は如何でしょうか。

鍋で山椒の実を枝付きのまま、塩をひとつまみ入れて5~6分茹でます。

茹で上がったら水に漬け込みます。短いと刺激的な辛さ、長く漬け込めばそれだけ辛さが抜けます。これはお好み次第、30分くらいという人から一晩という人までまちまち。一粒食べて(刺激的なので気をつけて)お好みの辛さをみつけてください。ざるにあげて枝から実を外します、以外に簡単に取れます。

冷凍にして1年ほど大丈夫。

佃煮は処理をした山椒の実100gに醤油、酒、みりんを各大さじ2を鍋に入れて似含めて出来上がりです。

小さな山椒の実ではありますが、ミネラルや香り成分が豊かな食材。整腸作用をはじめピリッとした辛さが代謝を高める働きがあります。また防腐作用、抗菌作用がありますので、魚に添えられていたりしますね。

細かい作業ではありますが、この季節ならではの手仕事を楽しんでみたいものです。

山椒の実

香りの良い食材のハーブ。庭やプランターに少しあるとお料理が豊かになりますね。この季節のおすすめハーブは「タイム」。タイムは古くから薬草として広く使われていました。変わったところではミイラを作る時に防腐・抗菌といった目的でも使われていたハーブです。スーっとした香りは、呼吸器系の不調に効果的と言われています。まさに抗ウイルスにはおすすめハーブですね。

料理では魚や肉料理の臭み消しに使用したり、ピクルスを漬けこむ時に一枝入れるとぐっと美味しさが増します。

カマンベールチーズの上に、タイムを細かくちぎり、黒胡椒をふって、オーブントースターで焼きます。とろりと溶けたら、季節の野菜をつけていただくのも美味しい食べ方ですね。

タイムを使ったe-gohanレシピは⇒こちらから

(文:デザイナーフーズ株式会社)

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