小寒

新年を迎え、暦の上では小寒。小寒とは「寒の入り」、つまり最も寒い時期に差し掛かりました。
寒さが一段と厳しくなり、冷たい風が身に凍み、体の芯から冷え切ってしまう季節になりました。風邪など引かれていないでしょうか。
七十二候の初候は、春の七草の一種であるせりが盛んに育つ頃ともいわれています。年末年始で普段よりも食事量や飲酒量が増えたという方は、胃腸を休める意味でも春の七草を使った七草粥はオススメです。すずな(かぶ)やすずしろ(大根)だけでも消化酵素が含まれているため、消化を助けてくれます。お好みによって入れる食材や味付けを変えるてみるのもよいでしょう。

「ごぼう」

この時期は煮物や、たたきごぼうなどで、目にする機会が多くなるごぼうですが、細く、長く成長し、力強く根付くことから、延命長寿や家族の安泰を意味するものとして縁起のよい食材の一つとなっています。
寒い時期のごぼうはより一層、食感がよく、香り高くなるのが特徴です。ごぼうを調理する際、ピーラーで皮を剥いたり、切ったものを水にさらしたりする方も多いのではないでしょうか。しかし、皮を剥いたり、水にさらしたりしてしまうと、ごぼうに含まれるポリフェノールの一種であり、強い抗酸化作用があるといわれているクロロゲン酸を一緒に捨ててしまうことになります。皮はたわしやスポンジ、丸めたアルミホイルなどで優しくこする程度にしましょう。
また、切った後はすぐに加熱すると、変色も気にならずに調理できます。旨味の強いごぼうはささがきにして鍋に入れると、一味違った鍋料理になり、沢山の量を食べることができるので、この時期オススメの食べ方です。

 

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「春菊」

独特の香りや苦味が特徴的な春菊ですが、小さい頃は苦手だったという方も多いのではないでしょうか。
この香りや苦味は加熱することによって、細胞が壊され、そこから香り成分や苦味の素であるポリフェノールが流出し、強く感じられるようになります。そのため、春菊といえば鍋物のイメージがありますが、香りや苦味が苦手という方は、生のままサラダにすると、えぐみもなく、食べやすくなります。
また、春菊は野菜の中でも栄養価が高く、体内でビタミンAとして働くβカロテンやビタミンKといった油に溶けやすいビタミンが豊富に含まれています。油でサッと炒めると、これらの栄養素の吸収が良くなります。この季節、喉や鼻の粘膜を守るためにもおすすめします。

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「せり」

先述の通り、春の七草の一つであるせり。この頃はまだ出始めで、これから春先にかけて旬を迎えます。
秋田県の郷土料理であるきりたんぽ鍋には欠かせない野菜であり、根っこの付いたまま鍋に入れるのが主流となっています。香りが強く、食感がシャキシャキとしているため、サッと湯がいたものを和え物やお浸し、ナムルなどにして食べると美味しく頂けます。
野菜の中でも鉄や葉酸の含有量が多く、貧血気味の方にはオススメの野菜です。免疫力を高めるためには、血液の流れも重要です。鉄分が不足していると、酸素を隅々まではこぶことができず、免疫力も低下しがちになります。ビタミンCも含まれているセリは鉄分も吸収しやすくおすすめです。

せり
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「芽キャベツ」

芽キャベツはキャベツの若芽と思われがちですが、実は全くの別物。大きな葉の付け根にできた脇芽が結球したもので、1本の茎に50個程の芽キャベツができます。
栄養素はキャベツよりも豊富で、ビタミン、ミネラル、食物繊維ともに多く含まれています。ビタミンCの含有量はキャベツの約4倍で、キャベツに少量しか含まれていないβカロテンも多いため緑黄色野菜に分類されます。
一方でキャベツよりもアクが強いため、生のまま食べるよりも、スープやシチューに丸ごと入れると美味しく、見た目も可愛く仕上がります。サラダや炒め物にする際は、芯の部分に十字に切り込みを入れる、または半分に切り、下茹でしてから使うと食べやすくなります。芽キャベツは暖かくなると、きれいに結球しなくなるため、寒い季節限定の野菜です。使うだけで普段とは違った雰囲気の料理になりそうですね。ぜひこの季節に、試してみてはいかがでしょうか。

芽キャベツ
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「ケール」

ケールといえば青汁やスムージーを連想し、何となく体に良い苦い野菜といったイメージをお持ちではないでしょうか。確かに栄養価は高く、カルシウム、ビタミンK、葉酸、ビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラスです。ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるといわれているため、肌が乾燥しやすく、感染症の流行するこの時期には積極的に摂りたい栄養素です。ビタミンやミネラルが不足しがちな方の栄養を効率よく補うには青汁やスムージもオススメです。
ただこの時期は、寒さに加え、冷たい飲み物をたくさん飲んでしまうと、体が冷えてしまいます。人肌程度に温かくした状態で飲んだり、スムージーに生姜やシナモン、リンゴなど体を温める食材を使うとよいでしょう。また、最近売られているケールは生のまま刻み、キャベツと同じような感覚でサラダにしたり、にんにくやベーコンなどと一緒に油で炒めたりしても美味しく食べられます。食生活に取り入れやすい食べ方を見つけられるといいですね。

ケール

(文:デザイナーフーズ株式会社)

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